当ホームでは、認知症ケア指針の『利用者が望む生活』実現のため、「これまでどのような暮らしをされてこられたのか」「何を大事したいと思われているのか」など、個人のこれまでの生活歴を重視したケアに取り組んでいます。その実施の為、ご入居してすぐに「私の人生」の小冊子の作成や、「笑顔を引き出すケア」の取り組みを行っています。
「私の人生」とは、介護する私たち宛てに作成するもので、ご自身の「知っておいてほしい好きなこと(例えば、想い出の場所、家族のこと)」「これからの生活に対する望み」などが記入できる小冊子になっています。また、「笑顔を引き出すケア」は、これまでの生活習慣や時間の過ごし方を知り、「今の施設生活の中でも続けていけることは何か」「どんな気持ちでおられるのか」をスタッフ間で共有し、ご自身の力を発揮する機会や笑顔になれるケアに結びつけていくものです。
認知症が進行しても、ご自身が望んでおられることを入居時に残しているので、どんな思いでおられるのかを想像しやすくなります。そして何より、認知症ケアを安心して受け入れていただくためには、大切に思っておられることを、介護する私たち側が汲み取っていくことが求められます。
施設入居は、新しい生活のスタートではありますが、過ごされて来たこれまでの生活の延長線でもあると思います。過去から現在、未来を紡ぐ当ホームのケアにより、入居後の安心した生活をお約束いたします。
認知症介護指導者 吉田 学美